2026/01/26

自分自身をバージョンアップさせるのは運動か?それとも自分か|経営判断と身体の話

結論から言います。

自分をバージョンアップさせるのは「運動」ではありません。あなた自身です。

運動は、あくまでツール。

そして、ツールは「握った人」が変わらなければ、何も変えてくれない。つまり、扱う人次第です。

でも逆に言えば――

そのツールをうまく使いこなせたとき、あなたは

  • ビジネスの判断
  • 経営者としての安定感
  • 夫としての余裕
  • 父としての器
  • 男としての芯

そういう“自分が立つステージ”に、身体を最適化できます。

私トレーナーは「指導者」である以上に、運動というツールを使ってご自身をバージョンアップさせようとする皆様に「伴走したい」のです。

『伴走者』でありたい。

1)「変わる」は、外から注入できない

やる気というものは、外から押し込むと短命です。

心理学では、人が長く動き続けるには「自分で選んでいる感覚」が重要だ、と整理されています。自己決定理論(SDT)では、**自律性(自分で選ぶ)**が大事な要素のひとつです。 

だから私は、セッション中、こういう言い方をなるべく使わない様にしています。

「これをやれば変わります」

「こうしないとダメです」

その代わりに、クライアントご自身に以下の様なことを自問自答していただける様にしています。

「どんな自分で居たいですか?」

「そのために、今いちばん小さく始められることは何ですか?」

答えを持っているのは、いつもご本人なのです。

 

2)運動は「根性」より「設計」で続く

WHOは、健康のための身体活動として、週150〜300分の中強度、または 週75〜150分の高強度(同等の組合せ)を推奨しています。筋トレは週2日以上。 

でも、経営者の方々の生活にこの数字をそのまま載せる事は少しハードルが高い場合もあります。

そこで必要になるのが「設計」です。

行動設計の考え方のひとつに、Fogg Behavior Modelがあります。

行動が起きるには、

動機(Motivation)× やりやすさ(Ability)× きっかけ(Prompt)

が同時に揃う必要がある、と説明されています。 

つまり、やる気より先にやりやすくして、やる瞬間を作る。

  • 1回30分が無理なら、まず10分
  • 週3が無理なら、まず週2
  • ジムが無理なら、まず家でできる種目
  • 「いつやるか」を決めて、予めスケジュール化する(きっかけ)

この様な“小さな実績を積み上げる設計”が、続く土台になります。

 

3)「変化」には段階がある。だから焦らなくていい

人が変わるプロセスには段階がある、という考え方があり、「無関心期→関心期→準備期→実行期→維持期」のように整理されます。 

ここで大事なのは、「準備ができてない人(準備期前の人)に、正論を叩き込まない」ことです。

準備ができた人は、おそらく自ら動き始めます。

準備ができていない方々に必要なのは、言葉で諭す事ではなく、状況整理と、小さな一歩です。

なので、運動指導者としての私は、私の力で「人を変える」という意識は無く、人が変わるための様々な意味での環境整理を行っていると思っています。

変わるのはその人。私は、その人が変わる瞬間に立ち会える伴走者でいたいのです。

 

4)あなたが「上がるステージ」に、身体を合わせる

ここが一番伝えたいところです。

運動は、筋肉を増やすためのみに行われるものではありません。もちろんそれも目的の一つですが、それだけではありません。

あなたが立っているステージ、あなたが戦っているフィールドに、ご自身の心身を最適化する。

  • 経営の判断
  • チームへの影響力
  • 家庭の空気
  • 自分の矜持…

その手段として、運動というツールは大変有効なのです。

 

  • 自分をバージョンアップさせるのは、運動そのものではなくあなた自身。  
  • ただ、運動は“最高に使えるツール”になり得る。WHO推奨の範囲で、あなたの現実に合わせて設計すればいい。  
  • 私は指導者ではなく、あなたが選んだ変化に並走する伴走者として、**やりやすさ(Ability)ときっかけ(Prompt)**を整える。  

あなたが上がりたいステージに、身体を合わせる。

そのためには、けっして派手な取り組みは必要なく、むしろ静かな積み重ねなのです。

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前田 くにひさ
『くまスポ』代表/運動指導者/トレーナー養成講師
一般の方から経営者・管理職層まで、幅広い年代の身体と向き合ってきた経験をもとに、「フィットネスの向こう側」を理念として掲げ、運動を通じて仕事や人生を支える身体の在り方を考え、さらにその先にある健康で幸せな人生を追求し、活動中。