2026/02/02

第5回:優秀なビジネスパーソンは、身体の“違和感”を見逃さない

とにかく判断が速く、正確。
疲れているはずなのに、覇気を感じ、話される言葉もポジティブで、落ち着いている。
攻めているのに、ギスギスしない。

そのような経営者の方が、おられます。
そのような方々にお会いする度に、尊敬の念を抱きます。

私は、彼らが特別に“根性がある”から、“強靭な精神の持ち主だから”だとは思っておらず、むしろ逆であると考えています。

調子がいい経営者ほど、身体の「違和感」を見逃さない。
大ごとになる前に異変に気づき、静かに速やかに微調整を入れている。

今日はその話です。
派手な筋トレの話ではありません。
しかし、経営や組織の運営、また人生のさまざまな場面にも直結します。

「痛み」じゃなくて「違和感」で止まれる人が強い

不調というものは、いきなり倒れたり、痛みがきたりするものではなく、何らかの予兆が表れている事が多いです。

例えば、

  • 呼吸が浅い

  • 眠りが薄い

  • 朝の立ち上がりが重い

  • 集中が切れるのが早い

  • いつもよりイライラが出やすい

というような形で、少し前の段階で“軽い違和感”を感じます。

「内受容感覚」という、「体の内側の信号(心拍・呼吸・緊張など)を感じ取る」という言葉があります。
難しい言い方ですが、要するに「体の小さなサインに気づく力」です。

この力がある人ほど、壊れる前に手を打てる。
これは、組織運営などにおけるの“リスク管理”と似ています。

睡眠は、気合で上書きできない領域がある

コンディショニングに関して、「寝たら治る」という非常にシンプルで分かりやすいです言葉をよく耳にします。

睡眠について、“断定”はしませんが、「睡眠が短い=必ず仕事のパフォーマンスが下がる」という単純なものでもなさそうです。

ただ、睡眠時間や睡眠の質(睡眠の断片化など)が、実行機能(計画・抑制・柔軟性など)と関連する可能性は否定できません。

つまり「睡眠時間が短いとパフォーマンスが下がる」というより、「良質な睡眠は良いパフォーマンスにつながる」という事です。

ここで言いたいのは、

気合や気持ちでカバーできるのは事実。
でも気合や気持ちで“回復”はしない。

という事です。

睡眠不足も厭わずバリバリ仕事をする事ができても、根本的な不調を改善させたり回復させたりはできない。

だからこそ、“違和感”の段階で何らかの方法で整える価値がある。睡眠もこの何らかの方法の一つです。
経営判断の前に、まず自分を整える。
自分自身のコンディションが良いからこそ、前向きでポジティブな経営判断が下されます。

運動は「鍛えるため」だけのものじゃない

運動というと、どうしても「筋肉」「メンタルストレングス」「努力」というイメージで語られがちですが、私は少し違う見方をしています。

運動は、私達の人生における調整ツールであると考えます。

WHO(世界保健機関)やCDC(世界疾病予防管理センター)が示す目安として、成人は

  • 週150〜300分の中強度の運動(同等の高強度でも可)

  • 筋力トレーニングは週2日以上
    が推奨されています。

しかし、ここで大事なのは「その運動量を守れない自分を責めない」こと。
CDC自身も、「この150分は分割可能である」と案内しています。

つまり、

「運動は完璧でなくても良い。調整ツールとして”マメに”、”うまく”使えば良い」

  • 30分×5日が無理なら、10分×15回でもいい

  • 週2回の筋トレが無理なら、まず週1回から始めて“維持”を覚える

  • ジムに行けない週があっても、そこで“ゼロ”にしない

この、ある意味“運用感覚”は、経営者の方々は得意なのではないでしょうか。

※医療的な判断が必要な症状(強い息切れ・胸痛など)は別です。その場合はここで判断できません(不明)ので、医療機関の受診が前提です。

結論

調子がいい経営者ほど、身体の“違和感”を見逃しません。
そして運動は、「鍛える」ためだけでなく、自分を整え、役割に最適化するためのツールとして使えます。

あなたが変わる主体で、運動はツール。
私は指導者ではなく、その運用を隣で整える伴走者。
その立ち位置で、淡々と積み上げます。

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前田 くにひさ『くまスポ』代表/運動指導者/トレーナー養成講師
一般の方から経営者・管理職層まで、幅広い年代の身体と向き合ってきた経験をもとに、「フィットネスの向こう側」を理念として掲げ、運動を通じて仕事や人生を支える身体の在り方を考え、さらにその先にある健康で幸せな人生を追求し、活動中。