2026/06/14

第14回 疲れているのに休めない人へ  〜頑張って寝ようとするほど、眠れなくなる〜

頑張って寝ようとするほど、眠れなくなる

皆様、この様な経験はないですか?

とても疲れているから、本当は早く休みたい…
もしくは、明日も仕事だから早く寝たい…。

そして、そんな時に限って、そう思えば思うほどなぜか眠れなくなる(苦笑)
逆に、「もういいや」と思って、読書を始めたりすると、結構自然に睡魔がやってくる。

実はこの様な経験をされている方は意外と多いのです。

決して意志が弱いからではありません。
むしろ真面目で責任感が強い人ほど、この状態に陥りやすい傾向があります。


日本は世界有数の「眠れない国」

私たちは、「日本国」という、とても便利な国に暮らしています。
私はこれまで二度、海外居住経験がありますが、その経験からも、本当に人もモノも美しく、便利で安全で住みやすい国だと実感します。

24時間営業のコンビニは日本の都市部ではどの街に行ってもありますし、今では24時間オープンしているジムもあちこちにあります。

24時間ではなくとも、夜遅くまで営業する飲食店やスーパーなんかもあります。

そして、いつでも誰とでも繋がれ、いつでもありとあらゆる情報を取得できるスマートフォン。
夜になっても街は明るく、情報は絶えず流れ続けているワケです。

つまり、我が国日本は「眠らない国」。
実際、人工衛星から夜の地球を見ると、日本列島は世界の中でも非常に明るく見える地域の一つです。
もちろん、それは日本の豊かさや発展の証でもあり、先人達の献身の賜物、繁栄の象徴ともいえます。

しかしながら人間の身体は、本来、明るくなれば活動し、暗くなれば休むようにできています。
私たちは気づかないうちに、「昼のような夜」の中で生活しているのかもしれません。
「眠らない国」はいつしか「眠らない国」になってしまっているのです。

だからこそ、眠れないことを意志の弱さや根性の問題として考える必要はなく、
まずは、自分が眠りにくい環境の中で生活していることを知ることが大切です。


睡眠を「頑張る」と逆効果になる

睡眠について最もよくある誤解があります。

それは、
「今夜こそしっかり寝よう」
という考えです。

一見正しいように聞こえます。
しかし実際には、「寝なければ」という意識そのものがプレッシャーになります。

眠れない

焦る

時計を見る

さらに焦る

ますます眠れない

という悪循環が始まります。
睡眠は努力で勝ち取るものではありません。
自然に起こる現象です。
意思や努力の力で行うモノではなく。本来自然に行われるべきモノです。

だからこそ、頑張るほど遠ざかってしまうことがあります。


睡眠は「結果」である

朝の木漏れ日の遊歩道をゴールデンレトリバーと散歩する男性

朝の散歩は、睡眠改善のためというより、自分自身を整えるための時間なのかもしれません。

睡眠改善を考える上で、とても重要な考え方があります。
それは、「睡眠は原因ではなく結果」だという事です。

眠りそのものを操作しようとするのではなく、眠れる状態を作る。
さらに言うと、一日の行動の結果として、体内で自然と「眠る」環境が作られる。
その方がはるかに自然で、再現性があります。

たとえば、
・朝決まった時間に起きる
・朝の光を浴びる
・日中に身体を動かす
・夜に強い光を避ける
・就寝前に仕事を持ち込まない
こうした行動の積み重ねが、結果として眠りを作ります。

今起こっている現象は、全てその一つ前の出来事や行動の結果。
つまり、「寝る」時に頑張っても、残念ながら睡眠は変わりません。
睡眠は朝から作られています。


認知行動療法(CBT)という考え方

近年、不眠改善の分野で高い効果が認められている方法の一つが認知行動療法(CBT-I)です。

薬に頼るのではなく、
・行動
・考え方
・環境
を整えることで、睡眠を改善していく方法です。

不眠の背景には、
「明日の為に何としても眠いらなければ!」
「8時間寝ないとダメだ!」
「今日も眠れなかった…」
といった思考パターンが隠れていることがあります。

その考え方に気づき、少しずつ柔軟なものへ変えていく。
すると不安が減り、結果として眠りやすくなります。

どうしても眠れない夜、「もういいや」と「寝る」ことを諦めて、
読書を始めたり残っている仕事を片付けようとしたりした途端、眠くなってくる。
そんな経験ないですか?
まさに、アレです。


「眠れない夜がある」のは普通のこと

睡眠は毎日同じではありません。
天候やストレス、仕事、人間関係、体調など、
様々な要因によって変化します。

大切なのは、一晩の睡眠に一喜一憂しないことです。

多少眠れない日があっても、人間には回復する力があります。
むしろ、
「多少眠れなくても大丈夫」
と思えるようになる方が、
結果的に眠れるようになることも少なくありません。


ライフパフォーマンスの視点から考える

睡眠は「目的」と言うより、人生をより良く生きるための土台です。

仕事に集中するにも、運動を楽しむにも、
また、家族との時間を充実させるにも趣味を楽しむためにも。
睡眠不足では100%そこに集中できません。

「どうやって寝るか」を単体で考えるよりよりも、
「どう生きるか」と言う部分から総合的に整える方が先なのかもしれません。


まとめ

疲れているのに休めない。

その背景には、「頑張って眠ろうとしている自分」がいるかもしれません。

睡眠は努力の対象ではなく、結果です。
まずは眠ろうとすることをやめて、
眠れる環境と習慣を整えることから始めてみてください。
そのヒントは、睡眠時間以外の過ごし方に隠されているかもしれません。


次回予告

睡眠改善7つの原則と、その一つ、
「しっかり起きたら、眠くなる」
睡眠圧という考え方について解説します。

なぜ朝起きることが、夜眠ることより重要なのか。
睡眠改善の第一歩をお伝えします。


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