2026/07/31

第21回 【睡眠改善7つの原則⑥】 副交感神経のスイッチは簡単には入らない ~睡眠の質は環境づくりから~

こんにちは。

ライフパフォーマンスコーチの前田です。
くまスポでは「フィットネスの向こう側」をテーマに、運動・栄養・休養を通じて、魅力的で快適で丈夫な身体、そして人生そのもののパフォーマンスを高めるための情報を発信しています。
このブログでは、「睡眠を良くすること」だけを目的にするのではなく、睡眠やリカバリーを通して、仕事や趣味、家族との時間をもっと充実させるための考え方や実践法をお届けします。

今回は、睡眠改善7つの原則の六つ目、

「副交感神経のスイッチは簡単には入らない」

というお話です。

※まだお読みでない方は、こちらもご覧ください。

第16回 睡眠改善7つの原則①「しっかり起きたら、眠くなる」
~起きる時間が眠りを決める~

第17回 睡眠改善7つの原則②「人間には体内時計がある」
~朝の光が夜の眠気をつくる~

第18回 睡眠改善7つの原則③「最適な睡眠時間は人それぞれ」
~8時間睡眠の常識から解き放たれよう~

第19回 睡眠改善7つの原則④「空腹では寝付けない、満腹では眠りは浅くなる」
~腹八分目は、夜の眠りにもつながっている~

第20回 睡眠改善7つの原則⑤「最初の90分を守る」
~回復のゴールデンタイム~


良質な睡眠は、寝る前から始まっている

前回は、「最初の90分」が一日の睡眠の質を大きく左右するというお話をしました。
では、その最初の深い眠りに入るためには、何が必要なのでしょうか。

答えは、とてもシンプルです。

“リラックスした状態”で眠り始めること。

しかしこのリラックスというのが、実は一番難しかったりします。


人間は交感神経のスイッチはすぐ入る

私たちは毎日、仕事をしたり、人と話したり、スマートフォンを見たり、SNSや動画を見たりしています。
脳が次々と様々な刺激を受けているわけです。
そうすると交感神経が働きます。

交感神経は、活動するための神経。
つまりアクセル役を担っています。

人間は危険を感じたり、興奮したり、緊張したりすると、
すぐに交感神経がONになります。

これは、生き残るために備わった大切な仕組みといえます。


一方、副交感神経のスイッチは簡単には入らない

では、休むための神経である副交感神経はどうでしょうか。
残念ながら、こちらは交感神経ほど簡単には働いてくれません。

眠ろう。リラックスしよう。

そう思っただけでは、
身体は休息モードにならないのです。


呼吸法や読書はもちろん効果がある

副交感神経を優位にする方法として、

呼吸法

読書

筋弛緩法

などは昔からよく知られています。
もちろん、これらはどれも効果があります。


でも、本当に大切なのは環境です

ただし、毎日寝る前に

「今日は呼吸法をやろう」
「今日は読書しよう」

と頑張り続けるのは意外と難しいものです。

疲れている日は、ついスマホを触ってしまいます。
だからこそ重要なのが、環境を整えること。

例えば…

  • 照明を少し暗くする。
  • 部屋を少し静かにする。
  • 好きな香りを使う。
  • リラックスできる音楽を流す。

こうした環境が、自然と副交感神経を働かせてくれます。

副交感神経は努力だけでは優位になりません。照明・音楽・香りなど環境を整え、自然にリラックスして睡眠の質を高めるポイントをまとめた図解。

「頑張って眠る」のではなく、「自然に眠れる環境」をつくることが、良質な睡眠への第一歩です。


「頑張る」は睡眠には向かない

ここで一つ、ぜひ知っていただきたいことがあります。

人間は、努力して覚醒することはできます。

しかし、

努力してリラックスすることはできません。

大切なので、もう一度言います。
人間は、努力して覚醒することはできても、努力してリラックスすることはできません。

「よし、リラックスするぞ!」
そう思った瞬間、もう交感神経が働いています。

意思の力は大変脆く、また不安定なもの。
努力は嘘をつきませんが、睡眠に関していうと、努力という行動が裏目に出てしまうのです。

睡眠では、意志力よりも環境の方が大切なのです。
今夜は睡眠前の1時間、スマホを置いて部屋のライトを落とし、心休まる音楽を聴いてリラックスしませんか?


まとめ

私たちの身体は、一日活動的に過ごした結果「睡眠圧」というものが高まり、自然と眠りにつける様にできています。
第16回ブログから)
また、睡眠によるリカバリーの質は、最初の90分が大きく影響しています。
第20回ブログから)

この最初の90分の深い眠りは、寝る前の過ごし方、そして寝‹室の環境づくりによって決まります。

良質な睡眠は、

寝る前から始まっている。

ぜひ今日から、「眠ろう」と頑張るのではなく、自然に眠れる環境づくりを意識してみてください。


次回予告

睡眠改善7つの原則⑦

起床後と就寝前の行動は環境からしか変わらない

~意志力より仕組み~

「朝起きられない。」
「夜スマホを見てしまう。」

それは、意志が弱いから?
いいえ、決してそうとも言い切れません。

人の行動は、意志力よりも環境に大きく左右されます

次回は、

環境設計
習慣形成
CBT(認知行動療法)

という3つの視点から、頑張らなくても良い習慣が続く仕組みについてお話しします。


睡眠改善7つの原則シリーズ

第16回 睡眠改善7つの原則①「しっかり起きたら、眠くなる」

第17回 睡眠改善7つの原則②「人間には体内時計がある」

第18回 睡眠改善7つの原則③「最適な睡眠時間は人それぞれ」

第19回 睡眠改善7つの原則④「空腹では寝付けない、満腹では眠りは浅くなる」

第20回 睡眠改善7つの原則⑤「最初の90分を守る」

第21回 睡眠改善7つの原則⑥「副交感神経のスイッチは簡単には入らない」(今回)


フィットネスの向こう側

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前田 くにひさ

『くまスポ』代表/運動指導者/トレーナー養成講師/睡眠リカバリーコーチ

一般の方から経営者・管理職層まで、幅広い年代の身体と向き合ってきた経験をもとに、「フィットネスの向こう側」を理念として掲げ、運動を通じて仕事や人生を支える身体の在り方を考え、さらにその先にある健康で幸せな人生を追求し、活動しています。